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[adtech] マイクロアドがデータエクスチェンジ市場に参入(というか立ち上げ?)

マイクロアド、データエクスチェンジ事業へ参入。オーディエンスデータと広告配信技術をメディア各社に開放。(プレスリリース)

グループ会社(というか前にちょっと在籍していた会社)のリリースなのでめちゃくちゃ良く書くと不自然なのですが、すごく興味深い動きとなっています。

マイクロアドはこれまでユーザーの行動データを取得しながら、それを元にした広告商品を作り販売してきたわけですが、ここに来てもっとベースの部分から市場を動かそう(というかつくっていこう)という流れです。


データエクスチェンジ事業では、インターネットの視聴者の属性に応じて広告を配信するために必要となる、オーディエンスの行動履歴や興味の対象など、オーディエンスのプロファイリングデータを、提供者と利用者との間で仲介します。初期段階ではマイクロアドが自社で保有する約3億件のUB(ユニークブラウザ)データとその解析技術を媒体社向けに開放いたします。

媒体社は、マイクロアドや他媒体社からオーディエンスデータの提供を受けることで、サイトに訪れたユーザーの過去の行動履歴を保持していなくとも、「海外旅行が好きな男性ITエンジニア」などセグメント化された広告を配信することができます。

マイクロアドではデータエクスチェンジ事業にあわせて、オーディエンスデータ解析技術と、広告収益を最大化する無料アドサーバVASCOを同時に提供いたします。
(中略)
アドサーバVASCOを利用することで、標準機能である広告収益最大化機能により、より収益の高い広告を優先的に配信するほか、純広告とターゲティング広告を併用するなど広告収益を増大化する手段を持つことができます。

(マイクロアドプレスリリース)

マイクロアドの野口さんのブログでも

大儲けしようなんて魂胆はまったく無いです。なぜそんなことをするのかと言えば、オーディエンスターゲティングの浸透のため、さらにはディスプレイ広告の発展のためです。「マジ何いっちゃってんスか。」と言われそうですが、結構本気です。以前からくどいくらい書いていますけれども、ディスプレイ広告ビジネスはこれからエコシステム(生態系)がすべてになっていきます。どれだけすごいテクノロジーが産まれようとも、お金を含めたあらゆるものが適切な流動性を持ち、食物連鎖が起こらなければ話になりません。こうした話は常に”ニワトリが先か卵が先か論”になりますが、我々はすぐ卵産み落とせるんだから、産んじゃおうよっていう話なのです。

(Defining the Future)


アドテクノロジーの業界はどんどんと複雑化しており、「エコシステム(生態系)」とも呼ばれているように、生きているようなダイナミズムを持っています。野口さんのおっしゃるとおり、ここからエコシステムが成長できるようなサイクルをみんなで創っていかないとディスプレイ広告市場自体がうまくいかないわけです。

誰かが「神」になってコントロールするなんてことはもうなくて、それぞれが弱肉強食かつ共存共栄という矛盾する世界の中、独自に進化し、世界を作っていく必要があります。そんな中のマイクロアドのアクションは(少なくとも)日本のディスプレイ広告市場にひとつの影響を与えていますし、ポジティブなサイクルをもたらせるようにどんどんとつながっていくと面白いですね。

ディスプレイ広告市場が「オーディエンスターゲティング」と「RTB(Real-Time Bidding)」の進化を遂げていくことは間違いないので期待です。


Categorised as: アドテクノロジー, データエクスチェンジ


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