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[ad:tech tokyo] レポート:ソーシャルメディアマーケティング 〜グローバルと日本は異なるのか〜

2010年10月28〜29日に行われたad:tech tokyoのレポートです。

セッション名:
ソーシャルメディアマーケティング 〜グローバルと日本は異なるのか〜

モデレータ:
高松 雄康
株式会社アイスタイル 取締役兼CMO

パネリスト:
Charles Buchwalter
ネットレイティングス株式会社 代表取締役会長 兼CEO

日高 千絵
エスティ ローダー株式会社
クリニーク事業部 マーケティング本部 マーケティング本部長

西田 悟史
株式会社電通 関西支社
ビジネス・ディベロップメント・センター チーフ・リサーチャー

Laurel Papworth
CEO, World Communities

公式サイトの詳細ページ

公式サイトから引用:
本セッションでは
-世界に進出している日本企業はどう活用しているのか?
-日本に展開しているグローバルカンパニーはどう捉えているのか?
-ソーシャルグラフはマーケティングの中心になるのか?
など世界と日本という異なる文化におけるソーシャルメディアの共通点と違いを軸に世界的な権威や各分野のプロフェッショナルを招いて
ソーシャルメディアの今と今後を「本音」でディスカッションしていきます。


■オープニング
最近のマーケティング関連のイベントではソーシャルメディアの話が非常に多いことからも、マーケティングへの活用の認識も高まっていると考えられる。

近年のad:tech NYやSFでは非常に多くの割合でfacebookの話になっているほど。

ソーシャルメディアをマーケティングに活用するということに関していろいろな戦略が語られているが、それらは果たしてどの国でも通用するものなのか考えていく。

■ソーシャルメディアの定義
ソーシャルメディアはすべてのコミュニケーションそのもので、デジタル/リアルは関係ない。人間の本質そのもので、単にそれがデバイスなどの発達によって変化してきただけである。

■国によるソーシャルメディアの違い


上記はソーシャルメディアにおける友人の数を国別に並べ、多い国と少ない国の上位を並べたもの。日本(右の表の上段赤字)は最下位で29人。対して最も友人の数が多いのはマレーシア。ソーシャルメディアにおいて友人の数が多いのは日本やアメリカではなく、実は東南アジアなどが多いとのこと。



また、上記はインターネット人口においてどれだけの人がソーシャルメディアにアクセスしているかを国別に表したグラフ(グラフ黄色部分が2009年4月時点、緑の部分を含めたのが2010年4月時点)。平均するとおよそ75%のインターネットユーザーがソーシャルメディアを利用している。オーストラリアやドイツ、スイスなど大きく伸びている国もあれば、日本や韓国など、すでにほとんど伸びがない国もある。

■日本のソーシャルメディア

日本のソーシャルメディアをマッピングすると上記のようになる(上:フロー系、下:集合知・蓄積系、左:興味関心系、右:ソーシャルグラフ系、円のサイズ:サイトのユニーク訪問数)。

特徴としては
・ブログの利用が非常に多い(中央上段)
・レビューサイトやQ&Aサイトなど興味関心でつながる蓄積系のメディアが多い。(左下)
・facebookはあまり伸びていない。ソーシャルグラフはまだまだ。(右中段)
・しかしながらtwitterは伸びてきてる(右上段)

補足としては企業がユーザーとの双方向の関係性を強めようとする動き(エンゲージメントの構築)はまだまだ少ないのではないかとのこと。


twitterは日本の市場においてユーザーが急拡大しており、facebookと大きく差がついている。

■米国でのソーシャルメディア

同じく米国でのソーシャルメディアをマッピングすると上記のようになる(上:フロー系、下:集合知・蓄積系、左:興味関心系、右:ソーシャルグラフ系、円のサイズ:サイトのユニーク訪問数)。

日本とは違い、facebookをはじめとするソーシャルグラフ系のサービスの利用者数が多い。

■日本とグローバルの違い

・情報の匿名性(Anonymity):日本では実名よりも匿名(もしくはアバターやニックネームなどを使った擬似的な匿名性)を好む傾向がある。一方でfacebookなどは実名登録であり、個人の特定が可能。

・情報への信頼性(Reliability):前述の通りグローバルでは実名登録が多く、その情報にもより高い信頼性が期待できる

・情報を選別する力(Ability to select):相対的にグローバルの方が強く持っているよう

日本人はグローバルに比べ、周りの温度感を図りながらソーシャルメディアを利用しているのではないか。

■クリニークの事例
米国ではユーザー自身がアクティブに企業に対して行動を起こしてくれる。例えば商品を一般の人が説明するのを自身でビデオに撮ってfacebookのファンページにあげたりなど。

一方で日本ではamebaなどでファンイベントなどを行っているが、実名を出したり写真などを掲載することはNGなことが多い。

また、影響度が大きいのは@cosmeで、ファン自身にアプローチするというよりも、利用者の形成するレビューをいかに活性化出来るかというアプローチが重要になってくる。

■ソーシャルメディアのアプローチ


・顧客の声に耳を傾ける(Listen to the Consumer Voice)
・直接メッセージを送る(Direct Message)
・キーとなるオピニオンリーダーの影響(Key Opinion Leader Influence)
・関係構築(Relationship Building)
・リッチコンテンツでのエンゲージメント構築(Engagement With Rich Content)
・Eコマース(E-Commerce)
・ソーシャルブランドになる(Be a Social Brand)


ソーシャルメディア【だけ】のネットワーク分析


マスメディアとソーシャルメディアでのネットワーク分析

図にあるようにソーシャルメディアはソーシャルメディアだけでは語れない。

■ソーシャルメディアのマーケティング活用
ソーシャルメディアに対応しているかという質問に対してtwitterをやっているとか、facebookにファンページを作っているとかを答える企業が多い。それらは「戦術」でしかなく、ユーザーの特性や文化、行動に合わせて「一番よい体験」を考えて実践することがソーシャルメディアマーケティングでは必要である。


Categorised as: ad:tech


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